カテゴリ:2015年11月


13日 11月 2015
学会の帰り、羽田にて
第43回日本伝統鍼灸学会の感想を続けます。実技講演は大浦慈観先生・石原克己先生(解説:浦山久嗣先生)・藤本蓮風先生の3名が行ないました。テーマは「杉山流の管鍼術」、「江戸期における刺絡・員利鍼の変遷と実技」、「打鍼と古代鍼の発掘と臨床応用」と江戸時代の鍼灸に関連したもので、時代とともに忘れられつつあった優れた技術を研究・継承されています。それぞれの先生から学ぶところは多く、大変貴重な講演でした。 大浦慈観先生の実技では杉山流の「管鍼術」を紹介し、金属製の鍼管を用いて打鍼のように皮膚を叩く技を披露しました。そして「過剰な衛生至上主義が蔓延し、ディスポ鍼のプラスチック鍼管が一般的になった現在、伝統的な手技が廃れてしまうことが無いように、管鍼術を実践できる臨床家が積極的に発信するべきである」と語りました。鍼を弾入し、そのまま鍼管を叩き続ければ結構な刺激量となりますし、方向や深さを考えて叩けば、硬結や水滞、瘀血など色々な目的に活かすことができるかもしれないと思いました。 過剰な衛生至上主義については、私も学生時代に指サックをはめ、イソプロでびしょびしょになるほど消毒をするやり方に疑問を抱いていました。また、学校の付属施術所には「遠隔治療禁止」と張り紙が貼ってあり、実技研修で、たとえば肩こりで曲泉に鍼をすると、そこの主任の先生から叱られたものです。同様に脈診も否定されました。学校全体が西洋医学寄りの風潮で、東概を教える古株の教員には熱意が感じられず、授業内容も粗末なものでした。伝統的な鍼灸が廃れる原因の一端は、そういう教育者にあると思います。今はどうか知りませんが。
10日 11月 2015
パネル展示 昭和の先達の記憶
第43回日本伝統鍼灸学会の感想を続けます。会場のロビーには小林健二先生の製作による、「昭和先達の記憶ー日本経絡学会・日本伝統鍼灸学会歴代の会長・副会長」と題したパネル展示がありました。中にはこれまで名前しか知らなかった先生もいたのですが、プロフィールを読んで様々なエピソードを知ることが出来ました。写真も良い表情のものが使われていて、小林先生のセンスを感じました。
04日 11月 2015
2015年10月24~25日の二日間、東京・タワーホール船堀にて「日本伝統鍼灸学会 第43回学術大会in東京」が開催されました。大会テーマは「日本伝統鍼灸の確立 よみがえる江戸」です。江戸時代に活躍した治療家や流派の研究発表、迫力のある実技講演など、多くのことを学ぶことができました。